涙道外来を行っています
当院では、毎週火曜日午後に涙道専門外来を開設しております。当院では涙道の手術も対応しており、涙道内視鏡を県内で初めて導入した施設でもあります。栃木市だけでなく、県内の様々な地域からご来院いただいております。
担当医師 青木 真祐 院長
担当医師 山﨑 暁霞 医師
2018年4月より新たに当院へ勤務となりました。眼科経験は院長と同じで、たくさんの診察、治療を経験してきました。栃木市そして広くは栃木県の眼科医療に貢献できるようがんばりたいと思います。
涙道内視鏡導入
上眼瞼にある涙腺で作られた涙は、眼の表面を流れて角膜・結膜を潤し、目頭の上下にある涙点から涙小管という細い管を通って涙嚢という袋にたまります。その後、鼻涙管という管を通って鼻の奥に抜けて排出されます。こうした涙が流れる経路を涙道と呼びます。当院では栃木県で初めて涙道内視鏡を導入し、涙道内を確認しながら安全性が高く専門的な治療を行っています。
流涙症について
涙目と呼ばれている病気で、涙で視界がぼやける、泣いているわけではないのに涙が出るといった症状が現れます。涙は眼球表面を潤すためにいつも分泌されていますが、涙道が詰まったり、細くなったりした時に行き場を失った涙が溢れる状態が涙道症です。
流涙症の症状
- いつも涙で目が潤んでいる
- 理由なく涙が溢れる
- 涙で視界がぼやける
- 目やにの量が増えた
- 目頭が腫れ、痛みがある
流涙症の原因
流涙症は分泌性流涙と誘導性流涙の2種類に大きく分けられます。
分泌性流涙
涙の過剰な分泌によって起こっています。結膜炎や角膜炎、ドライアイ、逆さまつげなどによって起こり、原因となっている病気の治療と同時に点眼薬などで治療を進めていきます。
導涙性流涙
眼瞼下垂や顔面神経麻痺、結膜弛緩症、そして涙道の障害などによって起こります。涙道が詰まって涙の流れが悪くなっているため、外科的な治療が必要になります。
鼻涙管閉塞
涙の通り道である涙道の涙嚢から鼻涙管の間に閉塞が起こる疾患です。
症状
片眼、あるいは両眼からいつも目やにが出る、涙が出る、眼がいつも潤んでいるといった症状が現れます。
原因
先天性鼻涙管閉塞と後天性鼻涙管閉塞があり、原因が異なります。
先天性鼻涙管閉塞
出生時に鼻涙管と下鼻管が開通していない状態です。胎生8カ月頃、鼻涙管と下鼻管は開通するのが一般的ですが、新生児の5~30%が開通しない状態で出生するとされています。
涙の流れ道を失って細菌感染を起こしやすくなり、新生児涙嚢炎の原因になる可能性があります。
後天性鼻涙管閉塞
女性は涙道が細いことから、壮年期以降の女性に多くみられる疾患です。また、鼻炎や蓄膿症などの鼻の病気が原因となることもあります。閉塞すると感染しやすくなるため、慢性涙嚢炎の原因になる可能性があります。
赤ちゃんの涙目治療
最初は、涙嚢部のマッサージ、抗菌剤点眼の使用などで経過を観察します。涙嚢マッサージは、指で下方に向けて圧迫しますが、眼科の医師にやり方をしっかり習ってから行ってください。目やにが多く、涙嚢部を圧迫した際に膿が逆流する場合には、抗菌剤点眼も用います。流涙(涙目)の症状だけの場合には、抗菌剤点眼の使用は行いません。こうした治療で1週間以内に目やにが少なくなったら、点眼剤を休みながら経過観察を続けます。1年以内に治癒するケースが多いのですが、結膜炎や眼瞼炎を繰り返す場合や涙嚢炎が併発した場合には、先天鼻涙管開放術(ブジー)を検討します。
涙道内視鏡手術 (涙管チューブ挿入術)
内視鏡を使った涙道の手術です。局所麻酔を行ってから、内視鏡を使って涙道内に涙道チューブを挿入し、チューブを留置させます。涙道が再び塞がったり、狭くならないようにしながら涙道を再建する治療法です。所要時間は10~15分前後であり、チューブは約2~3ヶ月後に抜去します。